肥満の予防法と治療法





●何年か後に起こってくる合併症(糖尿病、動脈硬化、膝関節炎など)の苦痛に比べると食事療法の方が何倍も楽(元気なうちはこれがわからない…)。
手軽な減量法はありません(週刊誌に惑わされない事)。
●肥満と水分は関係はありません。サウナで体重が減るのは水分が減るのであって脂肪が減ったと勘違いしないように。むしろ減量中には水分は充分に補給しておく必要があります。
●かたよった減量法では、「やせる」のではなく「やつれ」てしまうので要注意。



  (A)食事療法(B)運動療法(C)行動療法(D)薬物療法(E)手術療法などがあります。
  これらのうち中心となるのは食事療法、運動療法、行動療法です。

(A)食事療法
★『食事』は一つのクセです。味付け、量、内容など個人個人の好みがあります。『オフクロの味』なんて言葉もあるぐらいで身に染み込んだものですから、悪いクセを直すつもりで根性を入れてやりましょう!。周囲の協力も大切ですね。

   ・基本になるのは『糖尿病食事療法のための食品交換表』第5版 日本糖尿病学会編
    日本糖尿病協会・文光堂発行(ISBN4-8306-1320-3)850円です。
   ・ごはんとおかずのバランスを見直しましょう。おかずが多い事がよくあります。
   ・おかずは偏りを無くして肉・魚類、野菜類をバランス良くとる事。
     豆腐や卵は肉・魚類と同じタンパク質の仲間です。
   ・脂肪の摂取は減らし、最小量を植物油で摂取しましょう。
     肉、魚などは油の少ないものを選ぶ。天ぷら、カツなどは少なくする。
     炒めものに使う油の量にも気を付けて。
   ・菓子、果物、砂糖、はちみつ、みりんなどは減らす。薄味に馴れましょう。
   ・水分は充分にとる。
   ・海草、きのこ、コンニャクなどはノンカロリー食品ですからうまく利用しましょう。

(B)運動療法

   ・運動により中性脂肪が減少しHDLーコレステロール(善玉)が増えます。
   ・毎日続けなければ、週1回程度では効果は期待できません。
   ・運動をはじめて最初の10分間は体の糖分がエネルギーとして使われ、それ以後
    は脂肪がエネルギーとして使われます。脂肪を減らすには最低10分以上の運動
    が必要という事。きつい運動である必要は全然ありません。
   ・動的運動(エアロビクス、散歩、ジョギング等)と静的運動(柔軟体操、腕立て
    伏せ、腹筋運動、ヨーガ等)を組み合せて行うのが効果的です。



ごはん一杯分(160Kcal)の運動はどれくらい?(体重60Kgとして)

    散歩(ゆっくり)       約1時間
    散歩(はやあし)       約40分
    ジョギング(ゆっくり)    約20分
    ジョギング(はやい)     約17分
    自転車(平地)        約30分
    体操(軽い)         約50分 

 ね! 食事で取ったカロリーを運動で帳消しにするのは大変なんです。
 やっぱり食事で頑張らなくっちゃ。



(C)行動療法
   ・肥満にはその人の生活パターンがからんでいる事が多く、長い間に心身にしみつい
    た誤った反応のしかた(習慣)を、条件反射理論を取り入れて修正していく方法。
    食事日記をつけて、いつ、どこで、なにを、どのくらい、なにをしながら食べたか
    等を分析して問題点を探る方法。



  さーて、ここで問題です。肥満になりやすいのはどっちでしょう?

 (1)一日3食と2食(一日量は同じとして)。
 (2)早食いと遅食い。
 (3)ながら食いと楽しみ食い。
 (4)夕食を遅くに食べるのと早めに食べる。
 (5)残り物の後始末(自分で食べる)をするのと思い切って捨てる。
 (6おかずだけ食べるのとごはんも食べる。



    みんなでもっと健康に!!