2000 Formula Nippon Round 1 Suzuka Circuit

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フォーミュラ・ニッポン第1戦 鈴鹿サーキット

ミリオンカードカップ2&4レース



Start



F1ドライバーの貫禄! 虎之介大逆転


 西暦2000年の国内レースが鈴鹿サーキットでいよいよ開幕しました。今年の開幕戦は「2&4レース」という名称で、実に久しぶりに2輪(スーパーバイク)と4輪(フォーミュラ・ニッポン)のトップレースが同時開催されることになりました。

 今年のフォーミュラ・ニッポンは、2年間F1で活動してきた高木虎之介(PIAAナカジマ)と、アメリカのCARTシリーズに挑戦した服部尚貴(5ZIGEN)という2人のカムバック組に対して、98年度の全日本チャンピオン本山哲(IMPUL)をはじめ、金石勝智(ARTA)、道上龍(DOCOMOダンデライオン)、山西康司(モリナガNOVA)らの国内勢がどういった戦いを見せるのかが最大の焦点となりました。
 さらに、今シーズンからレース中のタイヤ交換が義務づけられたことによって、順位が大きく変動する可能性もあり、ファンにとっては絶対に見逃せない開幕戦でした。

 ところが、この日の鈴鹿は寒風が吹きすさび、どんよりとした曇り空。時折激しく雨が落ちてきたかと思うと急に日差しが照りつけるなど、変わりやすい天気に翻弄される一日となりました。

 レースは、前日の予選で3位と4位につけたミハエル・クルム(5ZIGEN)と高木の絶妙なスタートで始まりました。その後、急に降り始めた雨に滑ったのか、ラルフ・ファーマン(モリナガNOVA)が130Rで大クラッシュ。この車両を排除するためにセーフティカーがコースに入り、各車一列縦隊のスロー走行となりました。
 セーフティーカー・ランが解除された直後、今度は高木がスピン! しかし、これは自力でなんとかレースに復帰。ところが、その後すぐに道上と野田(ル・マン)がスプーンコーナー出口で絡んでクラッシュ。コース中でストップしたため、今度は赤旗が掲示され、レースそのものが一旦中断されることとなりました。
 約30分のインターバルをおいて再開されたレースでは、1位と3位でスタートした本山と金石がタイヤ選択のミスで早々にタイヤ交換を余儀なくされて脱落。トップを独走するクルムを2位に浮上してきた高木が追いかける展開となりました。レース再開直後は9秒近くの差をつけられていた高木ですが、周回ごとに徐々にクルムとの差を詰め、残り2周というところでクルムを抜き去りました。
 さすがF1ドライバー。そのスピード、チャンスをうかがう慎重さ、そして一発で決める追い抜きの判断、と全ての面にわたってフォーミュラ・ニッポンのドライバーとは「格が違う」ところをまざまざと見せつけたレースでした。

(詳細なレースレポートが掲載されているフォーミュラ・ニッポンの公式ホームページはこちらです)




フォーミュラ・ニッポン 第1戦 鈴鹿サーキット


順位ドライバーチームマシン
1位高木 虎之介PIAA NAKAJIMAReynard 2KL/無限MF308
2位ミハエル・クルム5ZIGENReynard 99L/無限MF308
3位服部 尚貴5ZIGENReynard 99L/無限MF308




Tora Takagi(jpeg) Start Scene

 予選でポールポジションを獲得したラルフ・ファーマン(黄色のマシン)、2位の金石(赤のマシン)を絶妙のスタートでかわして行ったのが3位のミハエル・クルム(青のマシン)と4位の高木虎之介(白のマシン)。
 金石のスタート下手は有名ですが、ファーマンをも押さえきったクルムのスタートは芸術的ともいえるものでした。それにもまして、ファーマンと金石が車間をつめてくるなかで、2車の間を強引にすり抜けていった虎之介のテクニックは観客をおおいに湧かせました。



Ralf firman(jpeg)

 他の全てのチームがレイナード製のシャーシを使用している中で、唯一Gフォースのシャーシを使用するチーム・モリナガ・ノバ。
 昨年のGフォースはレイナードと比較して圧倒的な戦闘力不足に悩まされてきましたが、一戦ごとにマシンの熟成が進み、最終戦の鈴鹿ではついにラルフ・ファーマンが初優勝を遂げました。
 今シーズンはさらに進化が進み、一説には「ラルフ・ファーマン・スペシャル」とでもいうべき仕上がりにになっているということで、開幕から好成績が期待されていました。その甲斐あって今回のレースでは堂々の予選トップ、見事にポールポジションを獲得しました。
 決勝では、残念ながら雨に足下をすくわれた格好でスピン、クラッシュしてマシンを大破させてしまいましたが、ドライバーのファーマンには大きな怪我はなかった模様ですので、第2戦以後の活躍がさらに期待できそうです。


 
Satoshi Motoyama(jpeg)

 1998年の全日本チャンピオン、本山哲。昨年もシリーズ2位にとどまりはしたものの、最後までトム・コロネルと激しいチャンピオン争いを展開し、今年も「出戻り」組を迎え撃つ最有力候補と目されています。
 ところが、この日のレースでは、中断後のスタートではトップに立っていたものの、雨用タイヤでスタートしてしまい、早々にタイヤ交換のためピットインせざるを得ず、大きく順位を落としました。その後もタイムは上がらず、後半は数周にわたって近藤真彦(オリンピック・近藤レーシング)と6位争いを繰り広げるという状態でした。
 結局、残り3周というところでなんとか近藤を捉えて面目は保ちましたが、本山としては大きくストレスの溜まるレースとなりました。



krum(jpeg)

 中断再開後から最終ラップ直前までトップを独走したミハエル・クルム。
 序盤は圧倒的な速さをみせながらも、徐々に高木に背後に迫られ、30周目のシケイン進入で抜き去られたことによって、チームとしても個人としても初優勝のチャンスを逃してしまいました。
 レース後のインタビューによれば、「レースが2ヒート制になったので、最終結果は第1ヒートと第2ヒートの合計タイムで決まるものと思っていた。だから、無理をして高木を押さえる必要はないと思った。」ということで、この点の情報がきちんとクルムに伝わっていれば、もっと面白いバトルが見られたのではないかというのがちょっと残念でした。



Podium(jpeg)

 終わってみれば、1位高木虎之介、2位ミハエル・クルム、3位服部直貴。つまり、F1、外国人、CARTという表彰台の模様になりました。確かに開幕前から期待されていた結果ではあるんですが、一方では国内勢のふがいなさばかりが目立ったレースになってしまいました。
 確かに、本山、金石、脇坂寿一といった国内勢のトップクラスのドライバーが足並みを揃えたようにタイヤ選択でミスをしたということが大きく結果に影響したわけですが、タイヤ選択も含めてチームの「総合力」というのを考えた場合、やはり国内で走っているドライバー達はこの点に弱点があると言えるのかもしれません。





Topics


Road Race(jpeg)

 今回のレースは2輪と4輪の同時開催となり、2輪ではスーパーバイク/スーパーネイキッドの全日本選手権シリーズ第一戦が開催されました。
 4輪では「コースが狭く、抜きにくい」と言われる鈴鹿ですが、オートバイには十二分のコース幅ですから、毎ラップ激しい順位争いが繰り広げられ、実に面白いレースが展開されました。
 レースは、ポールからスタートした玉田(ホンダRVF)と、梁(スズキGSX-R750)、伊藤(ホンダVTR1000)、井筒(カワサキZX-7RR)らが毎週順位を変えながら激しいトップ争いを繰り広げました。そして迎えた最終ラップ、シケインの進入でトップを走る伊藤に玉田がからみ接触、転倒する間隙をぬって梁がトップでチェッカーフラッグを受けました。
 久々に見た2輪のレースは、4輪とはまた違った面白さがあり、手に汗にぎる展開で随分楽しませてもらいました。なにせ、前に見た2輪レースは、平忠彦やフレディ・スペンサーが出場した「鈴鹿8時間耐久レース」ですから・・・、それから15年以上も経っているんですよね(^^;



Masahiko Kondo(jpeg)


 今や日本のレースシーンにすっかりととけ込んでしまった近藤真彦選手。
 最初は芸能人の道楽のように思われていましたが、もはや国内のトップドライバーとしての地位を揺るぎないものにしています。
 今年からは、「オリンピック・近藤レーシング」というチームを作り、自らのチームからフォーミュラ・ニッポンに参戦していますが、今回のレースでは6位入賞を目前にしながら本山選手に抜かれて無念の7位に終わっています。しかし、これって、すごいことですよ。調子が出なかったとはいえもはや国内最速ドライバーである本山選手を後ろに従えて、数周の間一歩も譲らず、場合によっては本山よりも速いラップタイムを記録しながら堂々と渡り合ったのですから・・・。
 「今年は自分で走るけど、来年以降は若い人に参戦のチャンスを与えたい」と語っており、今後、若手ドライバーの育成にも力を入れていくということです。これからもマッチにはどんどん活躍して欲しいものです。






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