高橋国光トークショー

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高橋国光トークショー




開会(JPEG)


 平成14年2月23日土曜日、私の地元のhonda四輪販売店「ホンダベルノ和歌山南店」で、レーシングドライバーの高橋国光さんによるトークショーが行われましたので、早速行って来ました。
 今回は、そのトークショーレポートです。





高橋国光(jpeg)


 およそレースに興味を持つ人で「高橋国光」の名前を知らない人はいないといえるでしょう。
 2輪のライダーとしてレース界にデビュー。1961年に世界GPで初優勝。その後、四輪に転向しニッサンの契約ドライバーとしてスカイラインGTRをドライブ。1977年フォーミュラ2000チャンピオン、同年F1日本GP9位、1978年F2チャンピオン、1985〜87年・89年全日本耐久選手権チャンピオン、ルマンにも参戦し1995年にはクラス優勝。1999年に41年間の現役生活に別れを告げ、59歳で引退。
 もう履歴書を書くだけで日本のレースの全記録になってしまうほどのもの凄いドライバーであります。その上に、にこやかな笑顔と面倒見の良さで、レース界の誰からも「国さん」と慕われる人格者でもあります。

 今回は1時間程度のトークショーで、とても国さんの「歴史」を網羅することはできなかったのですが、中でも興味深かった話をいくつか紹介します。

初乗りでクラッシュ
 国さんがホンダの2輪契約ライダーとなって最初に首脳陣の前でライディングを見せた時のこと。当時の荒川のテストコースで、本田宗一郎氏や河島喜好氏(後の社長)が見守るなか、ホンダのマシンに初めてまたがった国さんは、直前の選手のライディングを真似て最初のコーナーにつっこんで行ったところ、シフトダウンをミスしてコースアウト。脳しんとうを起こしてそのまま河島氏の車に乗せられて家に帰されたそうです。一般のレーサーが4速ミッションだったのに対してホンダのマシンは6速ミッションだったのでシフトダウンが間に合わなかったからだということですが、堅実なドライバーだと思われている国さんの「若げの至り」的なエピソードでした。
 
シューマッハは天才、セナは天才じゃない
    史上最多の通算53勝という記録を持つミハエル・シューマッハ、死してなお熱狂的なファンを持つアイルトン・セナ、いずれも「天才」と呼び称えられるドライバーですが、国さんは「セナは天才じゃない」と言います。その理由は簡単、「セナは死んでしまったから」なのです。「ドライバーは死んじゃいけない」、41年間の現役生活中に、何人もの先輩、同僚、後輩ドライバーが命を失う瞬間に立ち会ってきた国さんであればこそ、命を大切にする思いは人一倍なのだと思います。
 
最も印象に残るレース
    2輪で最も印象に残るレースは世界GP初優勝を飾った1961年の西ドイツGP。GPデビュー4戦目にしての初優勝は、現在もなお破られていない記録なのだそうです。
 4輪で最も記憶に残るレースは、1977年の鈴鹿F2000開幕戦。それまでビッグレースでの優勝が無く「無冠の帝王」と呼ばれていた国さんが初優勝を目指してトップを独走していたこのレースの最終周、バックストレッチを走っている時に竹下憲一選手のマシンがクラッシュしていることを知り、国さんは優勝を諦めてマシンをコース脇に止めて救出にあたりました。結局、この姿を見た他のドライバーが次々とマシンを止めて一緒に救出にあたったことで竹下選手は無事に救出され、レース自体も全員が最終周でレースを中止したことからその直前の順位を最終結果とすることとなり、見事に国さんが初優勝を果たすという、まさにドラマのような出来事があったのです。
 
生涯現役
    2年前に現役を引退したのはあくまでも周囲の選手やホンダの偉い人から「もうそろそろ引退してもいいんじゃないの」と言われたからその言葉に従っただけ。自分のレーサーとしての能力が衰えたわけじゃない。
 つい2、3日前にもホンダの販売店で65歳ぐらいの女性とすっかり意気投合し、新しいインテグラType-Rで一緒にレースをやろうという話で盛り上がっている。現在は62歳だが、80歳を超えてもレースをできる自信はある。



NSXのステアリング(jpeg)


 1999年の全日本GT選手権レース第7戦を第9位で完走したのが国さんの現役最後のレースとなりました。
 そのレースで実際に使用していたホンダNSX(RAYBRIG NSX)のステアリングホイールがこの日は展示されていました。台座には「国さんありがとう 1999年11月 本田技研工業」の文字と、NSXと2輪ワークスマシンに乗る国さんの姿がレリーフとして刻まれています。




  チーム国光(jpeg)


 「株式会社チーム・クニミツ」の代表者としての顔も持つ国さん。会場にはチーム・クニミツが販売しているドレスアップパーツのカタログが置かれているとともに、実際にこれらのパーツを装着した「フィット・プリシラ」「ステップワゴン・ヘルムート」の実車も展示されていました。