今回は、白浜町の旧南紀白浜空港跡地で開催されたジムカーナのローカルイベント、「エアポートジムカーナ イン 白浜」を紹介しましょう。このイベントは今回が初めてではなく、今年の2月に第一回が行われました(前回のレポートはこちら)。前回のレポートでも紹介しましたが、「ジムカーナ」はコースに立てられたパイロンの間を、決められたコースに従っていかに速く走れるかを競う競技で、クラスによっては普段通勤に使っている普通の自家用車でも出場できるところから、「参加するモータースポーツ」として人気が高まっています。
特に、今回の「エアポートジムカーナ」は、旧南紀白浜空港跡地を会場として開催されることから、その滑走路部分では異例なほど高速のコース設定になっているのが特徴で、近畿一円から90台近くの参加者が集まりました。
(今回は結果表が手元にありませんので、記録は掲載していません。あしからずご了承ください。)
急角度でパイロンターンを行うためにフルプレーキングを行う小田惣一選手のカローラ・レビン。競技専用車ではなく、普通の街乗りで使用している自動車で急激なターンを行おうとすれば、どうしても車体が大きく傾き、タイヤがブレーキロックでもうもうと煙を上げるというのが一般的な状態です。しかし、競技ででもなければ自家用車にこれほど負担をかけるような走り方はしませんし、やろうと思っても実際にはなかなかできるものではありません。

こちらはFRクラスに出場の山本恭弘選手のスズキ・カプチーノ。ジムカーナの場合、自動車の種類ごとに細かなクラス分けが行われており、また参加選手がそれぞれ街乗りで使っている自動車を持ち込む例が多いところから、出場車両のバリエーションが多いというのが楽しみの一つです。

こちらは、名田洋選手のスプリンター・トレノ、名付けて「ATIK・只今強化中・トレノ」。この型式、AE86というトレノは、モータースポーツに最適のFR(フロントエンジン、リアドライブ)というレイアウトを持ち、エンジンも1600ccとしてはパワフルであるというところから、入門者に多く愛されているマシンです。すでに生産終了から10年以上経過した古い型ですが、最近は週間「ヤングマガジン」でAE86使いの高校生が公道最速を目指すという漫画「頭文字(イニシャル)D」が大人気で、主人公が乗っている白黒ツートーンの通称「パンダトレノ」の中古車価格が急上昇したという話もあり、依然としてファンは多いようです(「頭文字D」の私的ファンクラブなんていうのもあります)。

今回の競技で一番ブッとんだのがこれ、尾崎薫選手が持ち込んだホンダNSX TYPE−R。無改造のN−2クラスに参加したのですが、同じクラスの他のマシンがシビックやトレノ、ミラージュなどという軽い車でパイロンターンのスピードを見せたのに対し、NSXはエンジンパワーにものを言わせて高速区間でタイムを稼ぎ、ダントツでクラストップの座につきました。それにしても、1000万円を超える車で、ジムカーナに出場するなんて・・・・・・。
そのNSXとある意味では対極の位置にあるのが、アルト・ワークスで出場した三木田良行選手。今回のようにエンジンパワーが重要なコースでは不利なことは否めませんが、もう少し低速のコースでは小回りの良さを生かしていいところへいくのではないでしょうか。必ずしも高価な車でなくても十分に楽しめるところがジムカーナの良さであると言えます。
こちらは国産車としては貴重な存在のミッドシップ(エンジンがドライバーの後ろにある)レイアウトを持つトヨタ・MR2、ドライバーは矢野英樹選手。ジムカーナという競技の性格上、前後の重量配分がうまくバランスできるミッドシップのマシンは絶対有利なはずなんですが、現実にはこのクラスではホンダのインテグラ・タイプRが圧倒的に強いというのが不思議なところです。とはいえ、確かにインテグラ・タイプRのエンジンは、市販車用としては異常とも言えるほどハイパワーなものであるのことは間違いないのですが。

最近、555のマークを付けたスバル・インプレッサが世界ラリー選手権を3連覇したというコマーシャルが流れていますが、4輪駆動のインプレッサWRXはラリーやジムカーナなどの市販車ベースのモータースポーツにおいて絶大な人気を誇っています。
ゼッケン82は、竹村隆志選手の駆るインプレッサWRX。最速タイム1分40秒560で今回の競技では第3位につけました。

こちらは、久保哲選手の真っ赤なインプレッサ。レーシングカーというのは派手なカラーリングのものが多いというイメージがありますが、ジムカーナに限って言えば圧倒的に白のマシンが多いようです。もちろん、大きなスポンサーが付いていないということが一番の理由なんですが、もっと切実な話としては、競技中にいろいろなところへぶつけることが多いため、色のついたマシンでは板金修理をしたときに塗装代が高くついてしまうので、少しでも安く上げるためというのが正直なところのようです。

インプレッサWRXと並んで世界ラリー選手権をリードする三菱の戦略マシン、ランサー・エボリューション。これは高木真哉選手が駆るエボリューション3です。ラリーやジムカーナにおいては、ハイパワーなエンジンによる高い出力を四輪駆動システムによって無駄なく路面に伝達することによって比類のない強さを発揮するこの2車種ですが、それだけにミスのない素早いテクニックが要求されるという点で、ドライバーにとっても厳しいクラスであると言えます。

こちらは、小玉知司選手の乗るランサー・エボリューション4。最近、「究極のランエボ」と呼ばれるエボリューション5も発表されましたが、現在競技に出場しているマシンの中では最新の「エボ・フォー」は、まさに「公道を走るWRC(世界ラリー選手権)マシン」と呼ばれるにふさわしいモンスターです。360度ターンなどの細かなテクニックが要求される部分が必ずしも得意とは言えない4輪駆動マシンですが、小玉選手は絶妙なテクニックのさえを見せ、2位以下を大差で引き離して本日の総合優勝を遂げました。

今回のジムカーナの会場となった旧南紀白浜空港は、新南紀白浜空港に隣接しています。このため、ギャラリー席となった滑走路脇の小高い丘からは、新空港の滑走路を反対側に望むことができるのです。
写真は、11月22、23、24の3日間に限って運行された南紀白浜〜名古屋間の臨時便です。運行会社は中日本エアラインサービス(NAL)、ちょっと見慣れないこの機体は、オランダ製のフォッカー50という飛行機だそうです。NALのホームページによると、この飛行機は、「最新のハイテクを備えたオランダ製のターボプロップジェット、56人乗の航空機 。安全性の高い機材として世界的に定評がある。翼が客席の上にあるので視界をさまたげないのが特長で快適な「空の旅」が楽しめます。 シートまわりはゆったりとしたスペースを確保してあり、天井高も充分とってあります。」とのことです
(同社のホームページはこちらです)。
下方に見えるのは、「南紀白浜アドベンチャーワールド」です。野生動物を間近で見られる「サファリワールド」と、イルカやアシカ、オルカなどのショーが楽しめる「マリンワールド」があるほか、パンダやラッコの飼育も行われるなど、一日中楽しめる自然型のテーマパークとなっています。