99 F1 Japanese GP

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Fuji Television Japanese Grand Prix 1999

1999 F1 日本グランプリ




99 Japan GP(JPEG)


ハッキネン、2年連続世界チャンピオン

コンストラクターズ選手権はフェラーリ


 モータースポーツにおける世界最大のお祭り、F1グランプリが今年も鈴鹿サーキットにやって来ました。シーズン最終戦として開催されることの多い日本グうンプリは、毎年世界チャンピオンの座をかけた激しい戦いが練り返されることでよく知られています。

 今年は、前戦のマレーシアGPで1位2位を独占したフェラーリチームの2台(シューマッハ、アーバイン)が技術基準違反により失格になったため、マクラーレンのミカ・ハッキネンが一旦は暫定チャンピオンの座に付き、日本GPの面白さは半減したかのように思われました。ところが、鈴鹿直前に開催された国際法廷の出した結論は、なんとフェラーリの「完全無罪」。これで鈴鹿は一躍ドライバーとチームの年間総合優勝を争う大バトルの舞台となったのです。

 今回のレースの白眉となったのは、なんといっても土曜日の予選でした。優勝しなければチャンピオンになれないハッキネン。これに対抗するのは、シーズン途中の骨折によりチャンピオン争いから脱落したものの自らが世界最速であることを証明し、チームメイトのアーバインの夕イトル獲得をサポートしたいシューマッハ。「セナ・プロ対決」を彷彿とさせるような2人の意地が火花を散らせます。
 まず最初にタイムアタックに出たシューマッハのタイムは1分38秒032。続いてアタックを行ったハッキネンのタイムはなんと!、1000分の1秒まで同タイム。2回目のアタックでシューマッハが初の37秒台をマークすると、今度はハッキネンが37秒820で突き放す、さらにシューマッハが3回目、渾身のラップを刻んで37秒470を出した直後、アーパインがヘアピンコーナー手前でクラッシュして予選は中断、2人の勝負は水入りとなりました。予選再開後、残り時間が約2分となったところから、ハッキネン、シューマッハが相次いでコースイン、今シーズン最高のアタック合戦が見られるものと、10万人の観客が固唾を飲んで見守りました。その時、ウォームアップ周回を終えて最終コーナーへ進入しようとするハッキネンの横を、ジャン・アレジがものすごい勢いでスピンしながら突っ込んで来たのです! これを避けようとしたハッキネンが急ブレーキを踏んだ時点でタイム更新の希望は潰え、今シーズン最終戦の予選は1位シューマッハ、2位ハッキネンの順で確定したのです。
 後ろに居たアレジがタイムアタックに入っていたことに気が付かなかったハッキネンとマクラーレンチームの失策ではありますが、あのままハッキネンがアタックに入っていればシューマッハを超えられたのか、それともやはり破れていたのか、ある意味では決勝に向けて新たな楽しみができたことになりました。

 明けて日曜日の決勝、この2人の勝敗を分けたのはまさにスタートの一瞬でした。不利な2番手の位置から絶妙のロケットスタートを決めて前に出るハッキネン、ポールポジションを獲得しながら派手なホイールスピンを喫して出遅れるシューマッハ。ハッキネンはあれよあれよという間にリードを広げ、結果的に10秒以上の大差をつけてトップでチェッカーフラッグを受けました。

 いったんは暫定チャンピオンに就任しながらも裁定が覆ったことによりチャレンジャーの立場に追いやられたハッキネン。これまでたびたび人間的な弱さを指摘され、うれしいときに悲しいときに涙を流し、「恐妻家」と揶揄さえされてきた昨年の世界チャンピオンは、このレースで「F1サイボーグ」ミハエル・シューマッハと堂々と渡り合い、見事にこれを下して実力で2年連続の年間王座を手にしたのです。


1999 F1世界選手権第16戦 F1日本グランプリ レース結果


順位ドライバーチームマシン
1位ミカ・ハッキネンウェスト・マクラーレン・メルセデスマクラーレンMP4/14
2位ミハエル・シューマッハスクーデリア・フェラーリフェラーリF399
3位エディ・アーバインスクーデリア・フェラーリフェラーリF399




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 優勝後、報道陣の前にマシンを止め、大きく喜びを爆発させる2年連続チャンピオン ミカ・ハッキネン。
 昨年の日本GPでは、シューマッハがマシントラブルで後退、リタイヤしたことによって王座が転がり込んで来た結果となっているだけに、今回、シューマッハをスピードで下してのチャンピオン決定は何よりも嬉しかったことでしょう。(実は「これでエリヤ夫人に怒られなくて済む」と思ったのが一番嬉しかった・・・なんてことはないよね > ハッキネン(^^;)




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 中央にハッキネン、その左右にシューマッハとアーパイン。最終戦の表彰台はまさに今シーズンを象徴するものとなりました。
 時としてマシン、ドライバーとも凄まじいまでの速さを見せるハッキネンですが、マシントラブル、チームメイトとの接触、そして自らのミスなど様々な要因で勝てるレースをいくつも落として、フェラーリ勢の追撃を許してしまいました。
 速さでは自他ともに現役F1ドライバーNo.1と認めるシューマッハ。骨折休養からの復帰第一戦となったマレーシアGPでは圧倒的な存在感を見せつけたものの、鈴鹿では意外にもハッキネンの後塵を拝する結果となりました。
 3位表彰台は、一昨年の鈴鹿でジャック・ビルニューブをブロックしてシューマッハの優勝をサポートして以来「世界一のナンバー2ドライバー」と呼ばれ続けたエディ・アーパイン。今季、シューマッハの骨折休養により思わぬナンバー1待遇を獲得し、最終戦までハッキネンとチャンピオン争いを繰り広げたのは見事でした。来年からはスチュワート(「ジャガーF1」に名称変更予定)のナンバー1ドライバーとなることが決まっていますが、フェラーリに16年ぶりのコンストラクターズチャンピオンという大きな置き土産を残しました。




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 ピットアウトするシューマッハ。今年こそはフェラーリに20年ぶりのドライバーズタイトルをもたらすかと期待されていましたが、イギリスGPでクラッシュして足を骨折し、約3か月の欠場を余儀なくされたことによってチャンピオン獲得の夢は潰えてしまいました。
 日本GPでもスタートに失敗、ハッキネンの速さばかりが目立ったレースで、シューマッハの「最速伝説」もやや翳りが見えたかのように思われます。
 ただ、その裏では「ナンバー2と蔑んでいたアーパインが年間チャンピオンに輝くのを阻止したかったのでわざとスタートを遅らせた」とか「アーパインがチャンピオンになったら来年のゼッケン1番はアーパインの所属するジャガーF1チームが付けることになるので、フェラーリのチーム監督からシューマッハに『ハッキネンを勝たせろ』と指示があった」などと様々な噂がまことしやかに流されているのも事実です。
 まさに陰謀策略うずまく世界の中心にあって、セナ亡き後のF1界を支え続けているシューマッハ。その鋭い眼光は、何を捉えようとしているのでしょうか。




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 残念ながらチャンピオン獲得ならなかったエディ・アーパイン。
 全日本F3000選手権に参戦した経験を持ち、日本にも数多くのファンがいるドライバーです。F1へのデビューも1993年の日本GPで、アイルトン・セナに果敢に挑みかかって一躍有名を馳せたものです。
 こうしたエピソードもあり、「暴れん坊」というイメージが強いドライバーですが、さすがにタイトルのかかった一戦では重圧を感じたのか、3位にはなったものの精彩に欠けたレース運びでした。
 しかし、今シーズン、フェラーリが16年ぶりのコンストラクターズチャンピオンを獲得できたのはなんといってもエディの力によるものなのです。




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 今シーズン、「スピードが出ない」「思ったように曲がらない」「壊れる」という三重苦を背負ったマシンと戦い続けた高木虎之介。おそらく、トラのレース人生の中で最も苦しいシーズンだったのではないでしょうか。
 チーム予算があまりにも不足しているためエンジン・シャーシともほとんど改良ができず、予選・決勝とも最下位が定位置というアローズチームにあっては、いかにドライバーががんばったとしても自ずと限界があります。それでも予選19位(これが現状では望み得る精一杯の位置でしょう)につけて決勝への期待を持たせましたが、決勝では同僚のペドロ・デ・ラ・ロサに大差を付けられての15位走行中に駆動系のトラブルでリタイアという残念な結果に終わってしまいました。
 ファンとしては、せめて同じマシンに乗るペドロには負けないでいて欲しかったのですが、今シーズンは結果としてペドロに遅れをとるシーンが多く見られました。確かに、ドライビングスタイルの違いもあるのでしょうが、本当に速い奴はどんな車に乗っても速いんですよ > トラ君。
 来シーズンの体制はまだ発表されていませんが、来期のアローズチームはスーパーテックエンジンを使えるようですから、なんとか捲土重来を期して欲しいものです。




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 今シーズン限りでF1から引退することとなったデーモン・ヒル。
 1996年のワールドチャンピオンですが、その後アローズ、ジョーダンと移籍し、はっきり言って「鳴かず飛ばず」の状態に陥ってしまったのは気の毒といえば気の毒です。
 今季も、イギリスGPを前に「引退する、しない」で話題になり、また「マレーシア、日本には出場せず代わりにテストドライバーの中野信治が乗る」など様々な噂が飛ぶなどよくわからない状態が続きましたが、結局のところ最終戦の鈴鹿で正式に引退ということになったようです。
 サーキット内の各所にもデーモンを声援する旗が数多く掲げられていましたが、「やめないでデーモン」という声がほとんど聞かれなかったように思うのは、あまりにもうがちすぎでしょうか?





The Great Managers




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 スチュワートチームの総帥であり、偉大なるF1ドライバーであった「御大」ジャッキー・スチュワート。
 来年は、フォードとの関係を強化してチーム名を「ジャガーF1」と改め(現在ジャガーはフォードの子会社となっています)、イギリスのナショナルレーシングカラーであるグリーンをまとって新たな体制でチャンピオンシップに挑みます。
 華やかなスポンサーカラーに彩られたサーキットの中にあって、御大の古き良き時代を思わせるタータンチェック柄の服装は、我々にある意味で新鮮、ある意味でノスタルジックな印象を与えてくれました。




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 チームのエース、ラルフ・シューマッハに何事か語りかけている「闘将」フランク・ウィリアムズ。
 自動車事故で下半身不随になりながらも、車椅子の上から、常に最前線でチーム・ウィリアムズの指揮をとり続けています。
 今年は非力なスーパーテックエンジンの大変おかげで苦しいシーズンとなりましたが、来シーズンはBMWエンジンを搭載することが決定しており、フランクの悩みも少しは楽になるのでしょうか。ただ、ターボエンジン時代には圧倒的なパワーを誇ったBMWですが、現在の「3,500cc、ターボなし」という規制のもとでF1に参戦するのは来年が初めてですから、その戦闘力は未知数だというところが悩ましいところでしょう。




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 ジョーダンチームの総監督、「知将」エディ・ジョーダン。
 今季は、無限ホンダエンジンのパワーにも助けられ、フランス・イタリアの両GPでハインツ・ハラルド・フレンツェンが2勝を挙げ、チャンピオンシップポイントでも4位のスチュワートに大差をつけて3位をゲットするなど充実したシーズンとなりました。
 来期は、ホンダがBARチームとジョイントしてF1に参戦するものの、無限ホンダエンジンは継続してジョーダンに供給されることが決定しており、場合によってはホンダワークスエンジンに匹敵するパワーを手にすることもあり得るため、今年以上の活躍が期待されています。




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 こちらは、もとホンダF1エンジン開発の総責任者、後藤治。
 ホンダがF1から撤退した後マクラーレンに転身し、現在はザウバーチームのエンジン担当ディレクターです。
 同チームのエンジンはフェラーリから提供された旧タイプのエンジンに独自の改良を加えたものですが、随所に後藤氏のアイデアが活かされていることでしょう。一説によれば、F1撤退後、ホンダはフェラーリにもエンジンのノウハウを提供していたというとですから、このエンジン供給契約自身にも後藤氏の影響力があったのかもしれません。
 今季のザウバーチームは、16戦中6位を4回獲得したのが最高位とあまり目立った活躍はできませんでした。しかしながら、メインスポンサーであるぺトロナス石油はマレーシアの国営石油会社であり、アジアのの経済状況の好転や、マレーシアで初のF1グランプリ開催など、チームへの追い風が吹いてきたようですから来期に期待することとしましょう。