紀州 民話の旅

本ページの内容は、昭和57年に和歌山県が発行した「紀州 民話の旅」を復刻したものです。施設整備、道路改修等により、現状は記載内容と異なっている場合がありますので、ご注意ください。

夜泣き石

〜有田市箕島〜




 この石は、子供の夜泣きを止める効能があるという。もともと愛宕山のふもとの農道脇にあったが、道路拡張のため掘り起こされ、近くの空き地に祠を建てて、まつられるようになった。高さ、幅ともに二メートルはあろうかという巨岩。
 天正の紀州攻めで箕島へやってきた羽柴秀長が、宮崎城主、隠岐守定秋の末娘、霞に横恋慕してしまった。しかし霞は、寄寓していた殿本帯刀輝網と将来を誓った仲。二人で城外へ姿を消したのだが、怒った秀長は、ついに宮崎城を焼き払ってしまった。
 やがて、焦土の中で乳飲み子を抱いた女が、この岩の近くに立つという噂が広まった。そして間もなく、女は赤ん坊を岩の上に残したまま、近くの川へ身を投げたが、その子は、霞にそっくりだったという。

(メモ:国鉄紀勢線箕島駅の裏手にあたり、駅から約五百メートル。国道42号線安諦橋(あでばし)北詰交差点から一キロたらず。)

※国道バイパスができたため、安諦橋は現在県道有田湯浅線にある。




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