The Primal Conspiracy

　JR西日本が起こした大惨事。犠牲者が50人を超え、運転者が若者だったと分かったところで俺様はイタタマレナイ心境に苛まれ、この事故についての報道を見るのがイヤになった。加害側(?)と被害側が最初から明確で、どうしようもないじゃんこんなの。グチャッといっちまってるし、史上最悪規模の惨事だろうなあと最初から分かる。ドラマの欠片もないと言っちゃあ叱られるが。
　そして、この若い運転手が実は前から何度かしくじってただとか、社員がボーリング大会やってただとかが明るみに出て、どうしようもなく気まずい状況。こりゃだめだわなもう。

　んで、昨日あたりからテレビでよく映し出される記者会見。針の筵の上でうなだれるJRのエライサンを前に、記者ども怒鳴る怒鳴る。なんじゃこりゃ。

　最近のこの事件の映像は3パターンだ。
①現場。ようやく事故車両が取り除かれたんだが、復旧は安全装置を完備してからって事で、見込み立たずだそうだ。
②遺族の悲しむ姿。今日も顕花の人が絶えない、とか、JR社員が遺族宅を訪ねて怒鳴られる映像。遺族が悲しみに打ち震えつつ思わず怒鳴る言葉がどこか作りものじみて聞こえたりして。俺だったら間違いなく取り乱しちゃって、「腹切って詫びろ！」とか、絶対放送できない訳分からん言葉を叫んじまうがな。「人を運んでるんですよ、荷物じゃないんですよ」はウマイと思った。まあ一番見たくない映像。
③JRの釈明記者会見。これがどうもひっかかる。

　言い訳できない状況でどうしようもないJR側に対し、やたら大声でゴリゴリ押す記者陣。現場がヒートアップするのはよく理解できるが、言ってやろうか、お前ら、後ろ盾のない弱者に対してはやたら強いよな。それからそれをわざわざ映像に編集してニュースとして流すテレビ、あの感覚もうそろそろやめませんか。

　ニュースとワイドショーは違うわけだし。まあモチツケ。

　つくづく思うに、マスコミは、遺族の悲しみを代弁する事は出来ないし、しようとするのは間違ってるよやっぱ。遺族を代表してるような顔して記者会見に臨むなんてもっての外。事実を淡々と報道するしかないよねやっぱ。元同業者として重く感じた。