夢の和佐又山スノーハイク

(2000.2.12-13)

2/12
今回の目的地は奈良県・和佐又山だ。
この地は、以前、キャンプに行く時、『和佐又山スキー場』という表示が道路の看板にあり、奈良県なのにスキー場があるのか、とびっくりしたことが事のはじまりだ。
そして、1999年の秋、実際にスキー場まで上がり、スキー場があることのみならず、その自然に魅了され、冬の景色を楽しんでみたいと思ったからである。

車に荷物を積み、一路、奈良県大淀町からR169に入る。
R169を走ること約1時間。伯母峰トンネルの所で大台が原に登るスカイラインの分岐点があるが、ここはもう、20cm位の積雪がある。スカイラインは冬期通行止めでしばし、その見なれぬ雪を観察した。
トンネルをぬけ、すぐ右手が和佐又山へ登る車道がある。ここから、約2kmの雪道となる。
タイヤチェーンをつけ、ゆっくり急な坂道を登っていく。今日は暖かいのだが、それでも20cm位積もっている所もあり、緊張しながら運転する。
そして、スキー場に到着。標高1340mだ。
あたりは一面の銀世界だ。気温は約5度、しかし、そんなに寒さは感じない。早速、周辺を散策した。雪は深いところで40cm位だろうか。雪のない地方に住む者にとって、雪は存在事体が感動となる。
ここはリフトがないので、主に家族連れでソリで遊ぶ者が多く、スキー客はそんなに多くない。去年、散策した同じルートも、冬景色は全く雰囲気が異なり、静かな銀世界が広がっている。
なんといっても、大きなスキー場のように人があふれかえっているのではなく、静かなのがいい。また、整備も行き届いてるとは決していえないが、大自然が残っており、それがここの魅力なのだ。

今日は、ここの山小屋に泊まることにした。宿泊は僕を入れて3人だ。後の二人は登山客だ。(ここは、大普賢岳などへの登山ルートともなっている。)
ここも例にもれず、山小屋の夜は早い。夕食後、早々に消灯となる。

一眠りし、トイレにいきたくなり、外を見た。
満天の星だ。
空気が澄んでおり、見える数が地元とは全く違う。
裸足のまま、外で時間を忘れていた。

2/13
今日も快晴だ。
気温は3度だが、日ざしが暖かい。少し雪が解けている。
午前中、往復1時間の和佐又山頂上までスノーハイクすることにする。
しかし、アイゼンなどの雪山の装備は持っていない...
山小屋の主人に聞けば、大普賢に行くには危険だが、和佐又山頂上なら、大丈夫かも知れない、しかし、すべるところがあるので、危ないと思ったら引き返せ、とのことであった。
冬山は、なめたら死につながる。行ける範囲でいこう、と誓い、出発した。道は歩いた跡があり、迷うことはないが、雪が深くなって来る。一部凍っているところもあるが、かなりさらさらの雪だ。
大普賢岳への分岐点を過ぎたあたりから、傾斜がやや急になってきて、足下がかなりすべりやすい。体全体で登ると言う感じだ。滑落して谷底というような危険はないものの、やはり怖い。
そして、和佐又山頂上に到着。


台高、大峰の山々がくっきりと見える。しかし、周囲の山はそんなに積雪があるようには見えない。
しばし、寛いだあと、下りにはいる。
下りは本当によく滑る。
慎重にゆっくりと下ってゆく。こんなところで怪我をしては、何をしているか分からない。もうそこに、スキー場が見えているのに、なかなか辿り着かない...
スリル満点の下りは途中、雪原に残る動物の足跡を観察したりして結局、40分くらいかかった。

時刻は2時。
名残り惜しい気分を押さえながら、和佐又から帰路についた。

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