海南市の伝統地場産業、黒江漆器の新しいデザインや用途を探る、和歌山県漆器試験場の研究発表展が21、22日の二日間、海南市船尾の紀州漆器伝統会館で開催されている。
漆器試験場は低迷する黒江漆器の新しい可能性を想像するために、素材やデザインやの研究を行い、毎年研究の成果を発表しており、今年もコンピュータグラフィック(マッキントッシュ)利用した生活用品のデザイン画やその試作品、なめし皮に漆を塗った新素材の試作品などが出展されている。
従来黒江では木型に漆を塗ったいわゆる漆器の生産が盛だったが、最近は合成樹脂に化学インクで印刷する商品のほうが多く生産されている。このため、漆器試験場でもインクジェット方式で合成樹脂やガラスにデザインを施す試験が行われており、この方式だと水彩がのような淡い色調やぼかしが表現できるとしている。
今年もさまざまな試みが繰り広げられ、試験場は「新しいアイデアを提供する事が目的」としているが、はたして研究成果がとれほど商品化に結びつくかは未知数である。