妊娠期の口腔衛生について



 妊娠中の人は、先ず自分のために、そして産まれてくる子供のためにもきちんとした歯みがきを身につけましょう。
 昔は「子供を産んでから、歯が急に悪くなった。これは赤ちゃんにカルシウムをとられるからだ。」と信じられていました。これは迷信です。妊娠中は間食が増え、また”つわり”もあり、歯磨きがおろそかになりがちです。そのためむし歯や歯肉炎が増え、歯周病にもなるのです。
 赤ちゃんの乳歯はお腹の中で7週前後頃から、また永久歯は3.5〜4ヶ月頃から作られ始めています。



心がけよう

@ 特に妊娠中はしっかりと歯を磨きましょう。
A 偏食しないで栄養に注意しましょう。
B 勝手に薬を飲まないようにしましょう。
C 妊娠中の歯科治療は4〜8ヶ月頃の安定期に受けましょう。
D 迷信に惑わされないようにしましょう。



妊娠期の口腔の病気のおもな原因

 むし歯になり易くなったり、妊娠中のトラブルのほとんどは口の中が不衛生になるのが原因です。
@ 妊娠中は唾液が酸性に傾き、ホルモン分泌の変調のため、むし歯や歯周病になり易くなります。
A つわりが原因で、歯みがきなどがおろそかになりがちで、不潔になります。
B お腹が大きくなると、一度にたくさん食べられないため、食べる回数が多くなり、食後の歯みがきがおろそかになります。
C 唾液の出方も少し変わって、少しネバネバとしてきます。
D ビタミン不足や新陳代謝に障害がおこります。



妊娠期の口腔の主な病気

@ むし歯--ホルモンや体温の変化、食事回数の増加、口腔内の清掃不足などによる。
A 歯肉炎、歯周病--ホルモンの変化、全身的な衰弱、栄養のアンバランス、心の不安定、清掃不足などによる。

B 歯痛--健全な歯でも歯髄が充血して痛くなることがある。
C 妊娠性エプーリス--むし歯、歯の装着物などの刺激やその他の原因による。

D 口内炎--ビタミンが不足がちになるため、ただれ易くなる。



妊娠期の歯のトラブルの予防

 子供の歯は妊娠中に作られるのです。むし歯になり易い歯かどうか(歯の質)はこのときにほとんど決まってしまいます。また、お母さんの歯が健康であれば、何でもおいしく食べられて、健康な赤ちゃんが生まれてくるものと考えられています。
 生まれてくる赤ちゃんのためにも、妊娠中の歯と口の中の健康には特に気をつけましょう。

@ 栄養のバランスのとれた食事をしよう。
特にむし歯に強い歯を作るのに役立つには、「フッ素」や「カルシウム」などです。

妊娠中は普段の2倍のカルシウムをとりましょう。
【カルシウムの吸収を良くするためには】
★野菜をよく食べましょう。
★牛乳を飲みましょう。
★炭酸飲料やインスタント食品は極力さけましょう。
★糖分を控えましょう。
★日光浴をしましょう。

A 甘いもの(糖分)をとりすぎないようにしましょう。
乳歯のむし歯に最も強い影響を与えているのは、お母さんの好みの味です。甘いものをたくさんとりすぎると、赤ちゃんだけではなくお母さんの健康にもよくないです。
B 食べた後はすぐに歯を磨きましょう。食べてから3分後からは口の中が酸性になるのでむし歯になり易いのです。また、寝る前の歯みがきはとても大切です。




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