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まぐろを巡る冒険



表題: 【まぐろを巡る冒険】150

 ▼13:11
 
 羆牧場の喫茶室で温かい コーヒーを呑んでる最中も
 彼女は「さぶいだら,まんじょこ」っと小刻みに震えていた。
 僕は彼女の肩を抱いて暖めようとしたが,無駄な様だった。
 
 このままここで まぐろ男が戻るの待つのは,無理な気がして
 僕は ホテルに戻ろうっと彼女に言った。
 金髪ナカヤマ...まぐろ男に ホテルに連絡をくれる様に
 伝言を事務局の職員に頼む事にしよう。
 
 「すぐに戻る,ちょっと待ってて」
 
 彼女に告げると,急いで職員を探しに事務室に向かった。
 眼鏡をかけた見るからに 女教師っといった感じの女性を
 捕まえると,さっき来た まぐろ男の知り合いである事と
 宿泊先の電話番号をメモにして,連絡をくれるよう
 伝えて欲しいっと頼んだ。
 女職員はとても チャーミングな微笑みを浮かべて
 (一流ホテルの フロント係りの様な)快く了解してくれた。
 僕は礼をゆうと,震えながら喫茶室に戻った。
 
 ▼13:13
 
 そこに彼女の姿は無かった。

                 やれやれ。

 探す気はしなかった。
 彼女が僕の前から,完全に姿を消した事はすぐに解った。
 人間消失...そんな完璧な消え方。
 恐らくもう今後,二度と会う事は無いだろう。
 
                 やれやれ,まぐろを巡る冒険
 
 僕自身も悪寒が酷くなって来た。
 このまま まぐろ男を待てる感じでは無い,精神的にも。
 ひょっとしたら,彼女もホテルに戻っているかも知れない。
 とにかく ホテルに戻り風呂を使いたかった。
 悪寒がするのに暖かい コーヒーよりも冷たい ビールが
 呑みたかった,何故だ?
 
 温かい ツナサラダか?
 温かい ワカメ酒か?
 温かい 小豆相場か?
 温かい Think Pad か?
 温かい セックスか?

 僕は ビニール張りの椅子に座ったまま,気を失ってしまった。

                          −第15升−    完

                          mailto:YHG01030@niftyserve.or.jp
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                kishi / Tetsuji Kishimoto   kishi06@IBM.NET

    
    
    

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