表題: 【まぐろを巡る冒険】200
▼時はもう無駄に出来ない
フロントに部屋の掃除を頼むと,僕は図書館に急いだ。
一連の出来事の繋がりは,声氏が僕にくれた プレゼントが
東芝製だった事で,読めてきた。
何故,ThinkPad では無いのか?
確信を得るために,図書館に向かう。未だ間に合うはずだ
約束の時間を少し遅れて,ノックが 2回。
欧米で「べんじょのノック」と呼ばれる品の無いノックだ。
いかにも彼らしい。
「鍵はあいてる」
「俺,ナカヤマ。悪いんだけど カーテンを締めて電気を
消してくれないかぁ」
従う事にする。どうせ・・・
「随分と手間を取らせたなぁ」
「いや,別に」
「ビール呑むだろ,買って来た」
手探りで 金髪ナカヤマ@ローソンから缶ビールを,受け取り
手探りで プルトップをむしる。
手探りで呑む ビールは,ビールじゃ無いみたいだ。
「ひとつ聞きたいんだけど」
「なんでも聞いてくれ」
「いや,その前に」
君はもう,死んでるね?
トイレに立ちたかったが,我慢する事にした。
「昼間は何故あんな無茶な事をしたぁ?」
「アンタらしくも無い」
「コンピュータの事かい?」
「あーして君を驚かせれば,君が " まぐろ男 " から
出てくるかと思ったんだ」
「たしかに驚いた」
「もう一本 ビールくれないか?」
「じゃぁ,話しは判ってるんだな?」
「だいたいは」
「俺は明日,長野に戻る。そこで例の男を自宅に呼ぶ」
「おいっ,無茶な事はするなよぉ」
「大丈夫,家族は軽井沢で オリンピック祝賀会で留守だし
めし炊き女の 稲子 には暇をだした」
「それに君はもう,死んでいる...かっ?」
「そーゆー事だ」
おしっこが我慢の限界に達しようとした時
「ぢゃ,色々と楽しかったよ,アンタのおかげで」
「もう二人で ネタは出来ないなぁ」
「お笑い組は解散だ」
「死んでる 君にゆうのも変だけど,気をつけて」
「アンタは生きてる」
「幸いにね」
「おやすみ」
彼は出ていった。
僕は明かりを付ける事に気付かなかった。
暗闇がすっかり体に染み込んでいた。
このまま,ずぅーと暗闇でも構わない気がした。
暗闇の中で トイレに行き,暗闇に向かいおしっこした。
そして更にベッドの上で,残りの ビールを呑み続けた。
▲ darkside ▼
−第20章− 完
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kishi / Tetsuji Kishimoto kishi06@IBM.NET
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